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ぼっそり

第4章 しんしん(エルSaid)


午後の授業が始まった。
いつもこの時間帯は、学食を食べ終えたあとのあの眠気と、寝坊した分の睡魔が襲ってくる。まあ、いつものことだ。寝る。
と、思いきや先生がそれに気づいたのかすぐに「起きろ」と言われた。

ぐっ…ダメか。まあでもたまにはこんなこともあるし、頑張って起きてよう。

寝ぼけながらの授業はダメだな、何言ってるかわからないし、第一内容が知れてない。さすがに授業を一つ流し聞きして次の授業で理解することは俺には無理だ。出来そうもない。

あとでロイに聞いてみるかな…。そうしておいた。
何だか物凄く暇な授業だと思えた。

窓側の席なのでぼんやり外を見ていてもつまらない。グラウンドに反しているので、校門とその周りに植えてある長寿っぽそうな樹しか見えない。こんなもの見たって楽しくはない。
それにここは学校だし、よほどの事がないと来賓者だって来ないはずだ。授業中に校門をくぐる奴なんて居ないだろうし。

微かにグラウンドでの掛け声が聞こえる。丁度今は女子体育のようだった。明るく大きな声が聞こえる。
もしグラウンドに反してなかったらそれを見れてすぐに授業が終わると言うのに…。
そんなこと考えていると、先生に外を眺めていたのがバレて注意された。
まわりは微笑していた。ロイは先生に見えない角度でこっそり本を読んでいた。ずる賢い奴め。
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