第3章 じわじわ
「今日はちゃんとはやく出たな、また暫く待たないといけないのかと思った」
エルは苦笑いをしながらニヤついていた。
「俺が起きれないとでも?寝坊魔じゃないからな」
「えぇ、二日連続で寝坊した奴が言えることか?先週の木曜も金曜も寝坊だったよなぁ」
ぐっ…と息詰まった気分になった。
よく覚えていたものだ…。
「まあ寝たい時は寝ればいいと思うぞ?無理しなくていいからな」
「わかってる」
当たり前の事を言われて小さい頃の母親の説教を思い出した。
エルが怒っている訳では無いが、不思議と口調が同じに聞こえて仕方なかった。
「何だよ、珍しく冷たいな」
エルはそっぽを向いて悩ましい顔をしていた。
言いすぎた…のか?