第3章 じわじわ
月曜の朝、この日のこの時だけは頗る機嫌が悪い。日常茶飯事だ。
昨日に悪い出来事が起こったからという訳ではない、昨日はエル達と出掛けて楽しかったはずだ。
じゃあ何故こんなにも機嫌が悪いのか?…理由は一つに限られる。
学校だ。俺はあまり好きではない。
話すことが苦手なのもあるが、あまり楽しいとは思え難い場所だ。
義務教育では無いから別に休んでもそんなに損はないと思うが、親が許さないので仕方なく行くしかない。
休日で楽しい時間から引き離されたようにも感じとれる。そんなこんなでこの日この時はいつも憂鬱だ。
逆に姉さんやエル達は学校が好きで、楽しいらしい。今の俺には考えられない理屈だ。
そうしているともうそろそろ家を出る時間だ。と、いうよりはエルが来る時間だろうか。
姉さんはそのエルよりも早くに家を出るから居ない。部活動があるらしいが、何に入ってるかは聞いても言ってくれなかった。
しぶしぶ制服に着替え、パンを半分手でちぎって靴を履きながら食べて玄関でエルを待つ。
正直、この時の俺はおかしい、と自分でも思っている。ストーカーか何かか、俺は。
インターホンを鳴らした音が聞こえた時にはちぎった食パンを食べ終わっていた。置いていた鞄をとってドアを開けると「おはうっす」と言ったエルが居た。
「おはよう」
そう言って学校に向かっていった。