第2章 こっそり
集合した時間が二時だったのもあって少し小腹が空いた俺達は姉さんがよく通っているというカフェに向かった。
姉さんはカフェオレが好きなのかアイスカフェオレを頼んだ。キリもそれがいい、と言ったのだが「苦いわよ」と言うとキリは「じゃあココア!」と言った。
エルは喉は乾いていない、というので何も頼まなかった。
俺も姉さんと同じカフェオレを頼んだ。
「あま~い!」
輝いた顔でキリは笑顔でそう言った。
「キリー、ココア好きだもんな」
エルは笑顔でキリにそう言った。
それを見て姉さんはふふっとにこやかに笑ってみせた。
「本当、貴方たちって仲が良いわよね。微笑ましいわぁ…」
「ええ、イブキ姉さんとロイだって仲良いでしょ?」
キリが「そうだよ、そうだよぉ!」と掛け声のように言った。
「まぁ、悪くは…ないと思うが」
「やだぁロイ、恥ずかしいのね?ふふっでもついてきてくれるロイも結構優しいわよね、それにちゃんと電話もしてくれたし。やっぱりいい子だわ」
そう言うと姉さんは必要以上に俺を撫でて褒めちぎった。
「ちょ、姉さん…やめ…」
「ロイなーに照れてるんだよー」
エルがニヤニヤ頬杖をつきながら笑っていた。
クッソ…この野郎、笑いやがって。
「自慢の弟だわ、本当の話よ?嘘じゃないわ」
姉さんはぽん、と俺の頭を軽く撫でてにこっと笑ってみせた。
久しぶりに嬉しい言葉をもらった。
これだから姉さんは好かれやすいんだな、と思った。