第2章 一度目の春
仁王側
目の前のやつがイヤホンをしまい本を片付けた
片付け終わると
『何か御用でしょうか?』
そーいやー、なんの用事じゃったっけ
まあ、とりあえず気になっていることだけでも聞くかのう
仁「聞きたいことがあるんじゃが、ええかのう?」
『僕に答えられる範囲までだったらいいですよ」
仁「そうか」
『長い話になるようでしたら座ってください。立って話すと目だってしまうので』
仁「そうじゃの。じゃあ失礼するか」
俺はソイツの目の前に座った
しかし、くえんやつでもあるがそれ以前に
何を考えているのかわからん
『それで、聞きたい事とは?』
呼びかけられてはっとし俺は本題に入った
白川側
仁「お前さん、名前はなんちゅうや?」
『白川 氷月です。あなたは?』
仁「俺は仁王雅治じゃ。」
へー。どうなのか
しかし
仁「白川、さっきはなぜ早めに会場にいったんじゃ?」
『時間があのまま経つと自分の席につけなくなるからです』
仁「どうしてじゃ?」
『入学式の時間が近づくにつれ人も多くなります。なので人が増えてごちゃごちゃとしているよりも先に行き座っていたほうがいいと思ったからです』
仁「ほう。」
『他に聞きたい事はありますか?』
なんでこの人は僕に近づいてこれるのだろう
大体の人は何故か怖がって近づいて来ないのに
仁「部活はどこに入るんじゃ?」
部活?ああ。どこも決めていない
『今はまだ決めていません』
仁「ほう、じゃあなんで学校に残っておるんじゃ」
『部活動を少し見ていこうと思ったからです』
仁「見学か」
『はい、なのでここで時間をつぶしていたのです』
仁「じゃあ、時間つぶしに屋上へいかんか?」
『なぜですか?』
仁「俺の弁当はそこに置いてきてしまってのう」
うーん、まあ。いいか。2人で話すことなんてそんなにないだろう
『いいd......』
僕の携帯が鳴った
『いいですか?』
仁「ああ。構わんよ」
僕は携帯を取り出した
......都美子さんからだ
珍しいな登美子さんからの電話なんて
『少し席を外します』
仁「おう。わかったぜよ」
僕は仁王から少し離れた場所で電話に出た
そこには少し焦っている登美子さんの声が聞こえた