第2章 一度目の春
白川側
購買に着いたのはいいが
どれがおいしいのだ?
とりあえず1番減ってるパンで
『メロンパンを1つお願いします』
お金を払って食堂に設けられている椅子に座った
購買や扉よりもあまり気づかれない1番遠くに座った
ポケットからイヤホンを取り出し音楽を聴きだす
窓の外を見ながらパンを1口
ん、おいしい
見た目によらずおいしいと素直に思った
パンを食べ終わると12時になっていた
部活が始まるのは1時半からだ
また、暇になってしまった
そういえば、自分がこの部屋に入ってきてから目線が気になる
まあ、別にどうでもいいが
明らかに僕の方を向いている
女子生徒と目が会うとその女子生徒は頬を赤らめて視線をそらした
なぜかわからなかった
音楽の音量を少し上げて持ってきた本をまた読み出した
少し読み出すと誰かに呼ばれている気がした
仁王側
俺はとりあえずブンちゃんの言った食堂に向かって走った
女1「キャーーー!!仁王くんよ!!!」
女2「本当だ!!!!」
廊下ですれ違うだけなのになんなんじゃろうな
相変わらずうるさいやつらじゃ
食堂についた
さあて、俺のお目当てはどこにおるんじゃろうな
俺は食堂を見渡した
死角がある席に座っているかもしれないので少し歩き回った
おった。入り口からでは完全に死角になった場所に
どうやらこちらには気づいていないらしい
しかし、無表情じゃのう
俺はお目当てに近づいた
仁「のう、おまえさん」
『......』
ん?聞こえんのか
そんなに本が好きなのか
だったら少し大きな声で
仁「おまえさん、少し用があるのじゃが...」
『......』
うーむ。何故か聞こえとらん
?よく見たらこいつイヤホンをしておった
どうりで聞こえんはずじゃ
肩を少し叩いて呼んでみた
白川側
肩を叩かれて見上げる
どこかで見たことのある顔があった
はて、どこで見たのか
ああ。入学式前にみたなと思い出した
何を言っているのかよくわからなかった
ああ。イヤホンをしていたようだ
イヤホンをはずしポケットにしまった
読んでいた本にもしおりを挟んで閉じた