第4章 フラグ回収は準2級
柳側
俺は精市に声を掛けられ遅れて来た白川の元へと行った
仁王は笑顔で白川に何かを言っているようだ
仁王はそのまま入口ですれ違うと
何かを楽しむような顔をしていた
『遅れてしまって申し訳ございません』
柳「フム、先生からの呼び出しだと思っていたからな、気にするな」
『はい』
柳「今度から遅れて来るようだったら俺に伝えてくれ」
『わかりました』
白川側
今日は金曜日
仕事は覚えた
ドリンク作りでは当時約20人分を作る予定だ
時々選手を見、動きのギコチナイ者は怪我をしているかもしれないと柳君は教えてくれた
ドリンク作りを終えた僕はフェンス越しにテニスコートを眺めている
1年生の1人の動きが僕にとってギコチナイ様に見えた
僕から声を掛ける事はほとんどした事がない
なので、テニスコートに入り怪我をしているかもしれない人の隣に立ち呼び出す
顔と名前は覚えてるのだが大きな声で呼んでしまうと何かあったのではないかとトラブルになる恐れがあると優真が教えてくれた
今日の怪我人はいないようだ
僕がマネージャーの仕事をしてから軽く5人は呼んでいる
いずれも小規模な怪我だがほかっておくと危ない
僕のようになってしまう
手当をし終えた時、向こうは必ずお礼を言ってくる
僕にとっては仕事だからお礼を言われる筋合いはないと思っている
そして、今日も
部員「あ、ありがとうございます」
『いえ、無理をしないでください』
部員「は、はい!」
その人は部室へ走って行った
?「なかなか手際がいいな」
部員が走って行った方とは反対に柳君が立っている
まあ、気づいていたけど
柳「お前も右腕は大丈夫か?」
『はい、大丈夫です』
柳「にして見れば、今日の動きは前日よりも少し悪い」
どこまで見ているんでしょうかね、彼は
『少し痛む程度の問題なので大丈夫です』
柳「フム、それでも見せてみろ」
『......わかりました』
僕は右腕を捲って見せた
柳側
今日の白川の動きはどこかを庇って動いているように見えた
そして案の定
柳「かなり腫れているようだが」
『......』
俺からすればこれは痛いどころの問題じゃない
そこは本当に腕だったのかと疑うほど腫れていた