• テキストサイズ

古きパートナー

第2章 一度目の春


父「じゃあ、頑張ってね」

『はい。誠さんもお仕事頑張ってください』

父「ああ。じゃあね」

誠さんが言うと車は動き出した

今日から通う学校そう、立海大高等学校にきていた

最初に言った通り校舎には入れなくとも外で活動している運動部くらいは見えるだろうと思っていた

『さすがに入学式の日では、活動をしている部活動はないですか』

少し残念に思ったけど、少しだけ安心をしてしまった

その理由はわからなかった






理由を考えている内に校舎の裏庭に来てしまっていた

運動場の端を歩いていたので来た道を戻ればいいだけだ

けれど、校舎の裏庭には立派な桜の木が1本だけあった

しかも、裏庭の真ん中に

桜の木の下には申し訳なさそうなベンチが木を挟んで2つほど設置されていた

自分は校舎側から見れない位置に座った

携帯を取り出し優真に詫びのメールを送った

携帯を制服の右ポケットにしまい、左ポケットから音楽プレイヤーをだしイヤホンをする

イヤホンから流れてくる音楽はすべてオルゴールの音だ

自分が好きでもあるし優真が大好きなのでもある

『優真にしてみれば良い曲を選びましたね』

どんなことを言っても無表情なので外から見ればまったく読めないのであった

音楽プレイヤーのアラーム機能で入学式が始まる30分前に設定した

入学式まで1時間ほどある

見たかったものは見えなかったが暇つぶしに本を読むことにした

自分は鞄の中にある本をだし、桜の木の下にあるベンチで本を読んだ

今回読んでいる本は、物理の基礎が多く書いてある本だ

自分はこういった本が大好きなのだ

別に予習とかではない

それだけは言っておこう

頭もそこまで悪くはない

でも逆に良い訳でもない

普通なのだ

ただ、感情がわからないから

外から見れば欠陥品に見えるだけだ

でも、気にしない

そんなことは自分にとってはどうでもいいことなのだから






音楽が急に終わって鳴り出したアラーム

『もう1時間経ってしまいましたか』

アラームを止め、読んでいた本を丁寧に鞄にしまった

つけていたイヤホンもポケットにしまった

ベンチから立ち桜に体ごと向いた

ああ、とてもきれいだな


?「なんじゃ、先客がおったんか」
/ 309ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp