第2章 一度目の春
僕は、新しく行く学校の制服に着替えていた。
今日は晴れだ。なぜだか、晴れの日は気分が良い。
でも、自分の中にはモヤモヤとしたものがあった。
このモヤモヤしたものは、何年も一緒だ。
最初は気にしていたが、途中からどうでもよくなった。
今は、新しい学校に行くのが少しの楽しみになった。
入学式まで、まだ時間がある。
家からもそこまで遠くないし、ゆっくりと行くか。
そんなことを考えていたら朝食ができた声が聞こえた。
自分の部屋を出て朝食のできているテーブルについた
母「新しい学校はどんな所だろうね」
母:都美子さんは言った
『きっと、いいところだと思います』
無表情で返した
父「ん?入学式には時間がかなりあるようだが」
父:誠さんが聞いてくる
『早めに行って、色々な場所を見てみたんです』
無表情で返した
母「昨日の朝に言ってきたのよ。学校を色々見たいからって、だから今日の朝ごはんはあなたと一緒に作ったのよ。娘からの頼み事なんてあまりないからね」
都美子さんはとても喜んでいる様子だ
父「そうか、今日で氷月も高校生だからな。そうかあんなに小さかった氷月はこんなにも成長したのか」
誠さんも同じ様子だ
母「さあーて、もうそろそろ優真を起こそうかね」
都美子さんは優真を起こすためにリビングをあとにした
今日は自分が早くに頼んだためにみんなの朝食が早くなってしまった
優真には学校に着いたらメールで謝っておこう
自分は朝食を食べ終えて台所に食器を置きに行った
食器を洗っていると誠さんから
父「途中まで送って行こうか?」
と言われた。今の自分に拒否権はない
『お願いします』
父「じゃあ、僕は着替えてくるね。リビングで待っていてくれよ」
そう言い残すと誠さんはリビングを後にした
(まーだ、眠いんじゃ!)
(朝食ができてるから早く起きなさい!)
(え?今、何時??)
(6時45分だよ)
(今日に限ってなんでそんなに早いんだ......)
(食べるの?食べないの??)
(今日もおいしい朝食で1日が始まるぞー)