第17章 甘い日
白川側
授業の合間の休憩時間に教室で
「白川君!これ一生懸命作ってきたの!食べてください!」
「私も作ってきました!」
「馬鹿ね、白川君は甘い物が好きじゃないわよ」
昼休みに別の教室で
「白川君!好きです!」
『すいませんが、恋愛は無理なので』
「待って!白川君!これだけでも受け取ってください!」
『わかりました』
そして、帰りに
「白川くーん!」
「これ食べてね!」
「こんなのより私のよ!」
と上級生までもが押し掛け
『すいませんが、家の用事がありますので帰りますね』
強引に廊下へ出れば
「仁王くーん!!」
「幸村君!これ、食べてください!」
「丸井君のために作ってきました!」
廊下でも軽い戦争が続いていた
それを掻い潜り屋上へと向かう
『はぁ...』
今日はどれだけ溜息を飲み込んだ事か
休み時間なんてなかったな
鞄には手作りのクッキーや、ケーキなどが入っている
?「人気者は辛いのう」
『先程まで廊下へ居たのでは?』
仁「お前さんが一番わかっておるじゃろ?」
廊下を走って抜ける際に
1人だけ僕を追いかけて来る人がいたな
仁「屋上まで来て、何をするんじゃ?」
『帰るに決まっているではないですか』
仁「...屋上からか?」
『はい』
体育の授業があった際に体育館へ向かう途中で上履きと靴と入れ替えて持ってきた
そして屋上では何時もの運動靴を履いている
仁「なんで運動靴なんじゃ?」
『昇降口で入れ替えてきましたので』
仁「それはわかっとる。なんで今、運動靴があるかと聞いておるんじゃ」
『体育の授業の帰りに入れ替えてきました。屋上から地上へと戻るために』
仁「どうやって降りるんじゃ?」
『ちゃんと用意してありますので』
仁「......」
若干引いている仁王君をほかっておき
鞄の中から登山用のロープと器具を取り出して装備する
仁「のう」
『はい?』
仁「お前さん、やっぱ普通の高校生じゃないじゃろう?」
『そうですね。元、暗殺者だったのでこれくらいは』
中学でも虐められていた時は良く屋上から紐ありバンジーを楽しんだものだ
ビルと比べて学校の高さが低いのは残念だが
仁「てか、何処で習ったんじゃ?」
『自己流です』