第2章 一度目の春
白川側
どうやら下駄箱まで来ていた2人の尾行は撒けたらしい
人混みに入るのは好きではないが
外すのであれば仕方がない
なんで尾行されているのか疑問なんだけど
いつもの通り道を今日は足早に帰ってきたのだ
交差点で優真と帰ってこれば良かったな
今は家の自室でゆっくりしている
優真の事だ、今日もテニスをやるだろうから着替えるか
PiPiPiPiPi......
急に携帯が鳴りだした
着替え終わって10分経っている
一体誰からだ?
とりあえず、都美子さんか誠さんか優真の誰かには間違いはない
それ以外は入っていないからな
僕はそう思って携帯を開いた
??誰だこれ??
ああ、公衆電話か
んー、優真かな
でも、優真は携帯を持っているはずだから
まあ、違ってもいいかとりあえず
『はい、もしもし』
?「お、本当に出るじゃん」
誰だ?結構マジで
『どちら様ですか?』
?「お前が優真の友達か?」
ああ、また何かやったのか優真は
『ええ、そうですけど優真が何かを?』
?「フハハハ!!ああ、まあな」
『どういったご要件でしょうか?こちらも暇ではありません』
?「ほらよ」
向こうで何かしているみたいだ
?「氷月!」
『!』
これは優真の声だ
上風「悪い、氷月携帯取られちまって」
なんだ公衆電話ではないのか
?「うるせぇよ、人質は黙ってな」
うわー、なんかベターなのきた
この前、都美子さんが見ていたドラマに似ている気が
?「おい!聞いてんのか!!」
『すいません、考え事をしていたので聞いていませんでした。もう一度お願いします』
さてさて、PCでは
優真の携帯はここにあるのか
PCでは優真の携帯に付いているGPSを拾っている
テニスコート付近だな
いつも練習しているテニスコートの近くだ
橋の下か
またベターなものを
?「いいか?今から10分後に......」
『橋の下ですね。わかりました、すぐに行きます』
?「な、なんで......」
ブチッ
さあ行こうかな
鏡を見ている
だけど、僕の表情は変わらない
ここまで来ると少し呆れるな