第2章 一度目の春
幸村側
さあて、今頃2人はデータ収集などで忙しいだろうな
俺は部室に来ていた
幸「クスッ」
柳生「どうしたんですか?幸村君」
ここにいるのは柳生と真田の3人だ
真「今日はなぜ蓮二が来れないのだ?仁王ならともかく」
幸「うーん、俺が頼んで白川の事を徹底的に調べて貰っているんだよ」
柳生「また、どうしてそこまで彼にこだわるのですか?」
幸「どうしてだろうね。ただ単に気になるのは確かなんだけど」
真・柳生「?」
幸「5月の下旬になっても彼は帰宅部を貫き通しているよね?」
真「だが、それらの理由なら他にも多くいる」
幸「うん、そうだね。でも僕は他にも気になってしまってね」
柳生「他に、ですか」
幸「うん。一度先生の都合上体育の授業を5組と受けた事があってね」
真「確か新人研修で来れなかったと言う話だと聞いている」
幸「ああ、そうだよ。そこでドッジボールをしたんだけど相手コートは白川が1人になるまで気づかなかったんだ」
柳生「そんな事が」
真「ほう」
幸「しかも、制限時間まで当たらず避け続けたんだ。息も上がってない様子だったよ」
真「どのくらい逃げていたんだ?」
幸「5分くらい」
柳生「そして、運動部にも所属していない彼の体力に興味が?」
幸「あと気配も消していた所にも」
真「そして、体力があり知識も中々ある白川を部員としてではなくマネージャーに入れたいのか」
柳生「まさか、偵察にいいとか思っていませんよね?」
幸「そこまではまだ考えていないよ。取り合えず......」
?「目の届く所で監視がしたいのか?」
部室の扉には蓮二と仁王が立っていた
幸「あれ?2人共、白川はどうしたんだい?」
疲れたように椅子に座った仁王が
仁「途中までは良かったんだが......」
柳「人込みの多い下駄箱に着いた瞬間に逃げられた」
仁「一緒になって出てみたがまったく捕まらんかった」
柳「申し訳ない。精市」
この2人が尾行を意図も簡単に外れるなんて
これは、面白くなってきた
仁「幸村、顔が怖いぜよ」
柳「とりあえず、1週間は続けてみようと思う」
幸「ああ、頑張ってね。じゃあ練習に行こうか」
これからどうなるのか楽しみだな
楽しませてくれよ白川氷月君