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古きパートナー

第16章 明かりが欲しい


曲がった瞬間、目の前には木刀を振る男性が目に入った

僕は瞬時に体を後退させて間合いを取るとその男に向かっていった

プスッ!

『うっ!』

静かな音と共に脇腹に鋭い痛みが走る

足は絡まりその場で倒れてしまった

熱い痛みが襲ってくる中、すぐに意識は朦朧としてしまう

「おにいちゃん!」

奈々子ちゃんは先ほどのロビーで会った男に捕まっており

体は宙に浮いていた

奈々子ちゃんは今にも泣きだしそうで僕の事を呼んでいる

「さっきはやってくれたな」

なるほど、結構ガチな族であったか

これは誠さんに伝えないとマズいかな

「お前は少し痛い目にあっていろ」

体の感覚がなくなり、視界が真っ暗になる

意識はまだ残っている

「おい、運べ」

「「へい」」

誰かに担がれてエレベータの音が聞こえた

「おにいちゃんをかえして!」

奈々子ちゃんの声だ

「煩いな」

すると奈々子ちゃんの声は聞こえなくなった

「コイツも一緒にぶち込んでおけ」

「わかりました」

そこで僕の意識は途切れてしまった






仁王側

昼を食べ終わり部屋に戻ってくるとお約束の

氷月がいない

上風「こーんどは何処に行った!」

半ば怒っておる優真は氷月に電話を掛ける

上風「あれ?出ない??」

柳生「氷月さんの事ですからマナーモードにしているのでは?」

切「何処まで真面目なんスか」

電話が繋がらんとその情報が俺の耳に届くと急に胸騒ぎがしてきた

携帯を開けるとメールが1件入っておった

5分くらい前の物で氷月からじゃった

喉が渇いたから休憩所で飲み物を買ってくると書いてあった






真「遅くないか?」

柳「ああ、15分は経っている」

ジャ「電話するか」

仁「俺がするナリ」

電話を掛けてみるものの変わらずに留守伝が入るだけじゃった

上風「何ー?父さん?」

優真は誠さんと連絡を取っておるらしい

上風「氷月ならいないよー。え、うん、わかった」

電話を切る優真は少しだけ慌てておる

幸「誠さんはなんだって?」

上風「すぐに来てほしいって、皆で」

嫌な予感がするぜよ

子猫をゲージの中に入れて俺達は優真に付いて行った
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