第15章 殺人鬼
子猫を眺めていると眠気が襲ってきた
ここ最近、眠れない日が多かったから
目を擦ると仁王君が顔を除いてくる
仁「眠いんか?」
『はい』
仁「なら寝た方がええ、昼までには時間がある」
『わかりました』
壁に頭を預けて目を閉じる
仁「俺は此処におる。安心しんしゃい」
最後に仁王君の優しい声が聞こえれば
今まで以上に深い眠りに入る事が出来た
優真側
上風「......」
信じられない
氷月が人を横に寝てるなんて
俺は呆然とそれを見ていると父さんが
父「なんだ?どうかしたか?」
と俺の視線を合わせて固まった
幸「どうかした?」
幸村先輩の声が聞こえて親子一緒に視線を戻した
父「え?あれ?おっかしーな?」
父さんの反応は普通だ
真「ム、氷月は寝たのか」
上風「え、なんで寝てんの?」
柳生「何処かおかしいのですか?」
父「氷月は誰よりも警戒心が高いからな。隣に人がいればまず寝る事はないんだよ」
柳「なるほど。そして今仁王を隣にして寝ているのに疑問が上がっているんですね」
父「お、おう」
父さんの反応は鈍いままでそのまま会話は弾んでいった
俺はチラチラ氷月を見つめる
別に恋をしている訳ではない
俺の中で氷月は恋人と言うよりも「兄」の方が成り立っている
「姉」とは思えないのは今でも変わらないが
切「そういやー、優真は氷月先輩の事、どう思ってんだ?」
上風「え?氷月の事?うーん、兄と思ってるよ」
丸「ぜってーおかしいかならっ!」
上風「だって、姉と言うよりは頼りになる兄だと思うじゃん。先輩達が最初に思ったように」
母「フフ、氷月は顔立ちは良いし、優しい男の子が板についているわよね」
ジャ「俺達も最初は男だと思っていたからな」
幸「カッコいいよね。スポーツ万能、成績優秀、家事もこなして、非の打ち所がないよね」
柳「氷月の成績はトップ20をキープしているが、恐らく手を抜いているのだろう」
真「何故だ?」
柳生「目立ちたくないのではないのでしょうか?」
丸「だったらトップ20は入らないだろぃ」
幸「今度、部長命令でも使おうかな?」