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古きパートナー

第15章 殺人鬼


「な、なんだよテメー、やる気か?」

言動がおぼつず、足が笑っている男性

先ほどの威勢は何処へいったのやらと問いかけたくなる

『そちらがその気でしたら構いません。それと結構注目を浴びています。この状況下でもやるつもりですか?』

周りには野次馬が多く、監視カメラもこちらを向いていた

「チェ、このくらいにしといてやる!」

『ありがとうございます』

男は強張った表情を隠すようにしてその場を離れて行くと

先ほどまで群がっていた野次馬も何処かへ行ってしまった

「奈々子!」

「お母さん!」

トイレから血相を変えた母親が慌てて出てくると

奈々子ちゃんは僕から離れ母親の元へと走り出す

それを見送ってから僕は自分の階へ戻るために階段へ足を運ばせた






上風「氷月、何処に行ってたんだよ」

『1階の土産屋です』

父「お!漬物」

部屋に帰ってこれば優真に叱られてしまった

皆は何時も通りであった、仁王君の言った事は本当なんだろうか

この人達に疑問が生じる

優真がいるからいつも通りにしてるかもしれない

そんな事が頭の中をよぎると、そう思ってしまう自分がいた

部屋の角へ行き腰を下ろすと1匹の黒猫がすり寄ってくる

白猫は僕のコートを噛んで引っ張ていると仁王君がそれを持ち上げた

仁王君はそのまま白猫も持ち上げると僕の隣に腰を下ろす

仁「お前さんのじゃろ?」

『ありがとうございます』

仁王君からコートを貰い適当に畳んで足の上に乗せた

仁「ほれ、気持ちいじゃろ」

白猫は仁王君に遊ばれており顎の下を指で掻いていた

「グルグル」

白猫は気持ちよさそうに喉を鳴らす

「ニャー」

何時の間にか足の上に乗っていた黒猫が甘えてくる

仁王君のように顎の下を掻いてやると喉を鳴らす

仁「?」

白猫は仁王君の手から離れると僕の上へとやってくる

仁「随分お前さんに懐いておるんじゃな」

『みたいですね』

黒猫の背中を撫でて白猫の背中を撫でると僕の上で寝てしまった

仁「よく寝るのう」

『何処かの野良猫とソックリですね』

仁「ほう」

そう、仁王君みたいだ

屋上で日向ぼっこしてよく寝てる

自由気ままでマイペースである
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