第15章 殺人鬼
上風「...出来た」
父「はい、お疲れ」
気絶させられた氷月は布団に包まれビニール紐で3ヵ所縛られておった
父「さて、思い出すかな」
誠さんは我が娘のように苦しそうに眠っておる氷月の頭を撫でる
父「仁王君、幸村君。あの日の事を覚えているかな?」
幸「氷月が自分を見失った時の」
父「そう。あれは昔の自分自身なんだよ」
仁「んじゃ」
父「話してあげるよ。ただし、これを聞いても氷月を拒まないでほしい。彼女は人のために自分を殺したんだ」
敷布団をあらかた片付け、大きなコタツを取り出す
母「あら?何か会議でも?」
父「氷月が昔を思い出した」
母「...そう。この人達に話すのね?」
父「ああ、すまんな。俺が未熟なせいで」
母「私もよ」
帰ってきた都美子さんは氷月の隣に座ると優しく頭を撫でて行く
父「今から10年くらい前に誘拐殺人事件があったんだ。小さな村が7つほどやられており、子供は全員連れ去られ、村の大人は全員死亡」
真「それが彼女と関係が」
父「大アリさ。彼女はその誘拐された子供の唯一の生き残りであるからね。一番最初に連れ去られたんだ」
「「!」」
父「俺は当時、新米警察官だったんだ。そこで襲われている村々をこの目で見て渡り、生き残った村人から情報を聞いた」
丸「それで...」
父「村を襲ったのは大柄な男が2人と、子供が1名だったと聞いている」
ジャ「まさか、その子供って...」
父「そう、氷月だ」
ドクンと心臓が大きく鳴った
仁「まさか、暗い空間に拳銃とナイフを持って立って居ったって」
父「!、聞いていたのか。そう、その暗い空間は彼女が監禁させられた場所であり、持っている物は、言わなくてもわかるよな?人を殺すために誘拐した男達が持たせた物だ」
柳生「その方々の目的とは...」
父「各国の少年兵として育て上げ、裏で人身売買を行うための教育を施すためだ」
切「え...」
父「小さな村が狙われたのは、比較的に村の人口が少なく自然の中で育った子供は運動神経が良いよされていたからだ」
幸「そもそも何故少年兵なんかに」
父「多額の借金に追われ、手早く金を回収できるのがあれだったんだよ」
その後、実際に体験した事を誠さんは話してくれたぜよ