第14章 冬休み
ロープウェイに乗って初心者コースを滑るために大移動中である
先頭には誠さんと切原君、丸井君の3人が座り
幸村君、柳君ペア
柳生君、桑原君ペア
真田君、優真ペア
そして最後尾に僕と仁王君が座っている
仁「スキーは苦手か?」
『まあ、苦手ですね』
上風「氷月は寒いのが苦手だからね」
真「そうなのか」
『はい』
室内仕事で動き回るほうがよっぽど楽しいと感じるくらい
寒さに体勢がない
ヒキニートではないからな
『それにしても、皆さん上手ですよね』
上風「俺も思った」
真「意外と簡単だぞ」
仁「先頭の2人に言うんじゃな」
正直、何年も此処でスキーをしている優真より上手である
降りると周りは松の木ばかりで、その上には分厚い雪が乗っている
父「氷月」
『はい』
すぐさま誠さんの隣へ行く
父「あれを付けてあげるんだ、2人に」
『わかりました』
今日だけでも最低限滑れるようにある物を使う
丸「何してんだよぃ?」
切「氷月先輩?」
まず、丸井君のスキー板の先っちょにプラスチックで出来た固定器を装着
そしてそれをもう1つのスキー板にはめて
丸「ちょ!」
ドッキング
これで自由にはならない、いわゆる強制である
これを切原君にも付ける
切「歩けないッス!」
父「さーて、誘導してくから皆大人しくついてきてねー」
丸「めっちゃ笑顔...」
切「怖いッス...」
誠さん持つステッキの先端を2人に突き出す
父「ささ、掴んだ掴んだ」
恐る恐るそれい手を伸ばししっかりと掴むと
前が動く
上風「父さん!いい?」
父「この下のロープウェイの柱までな」
上風「氷月、やろうぜ!」
『分かりました』
仁「?」
『仁王君は前に付いて行ってください。下で合流しましょう』
仁「よくわからんが、わかったナリ」
1つの大行列が坂をノロノロと下って行く
上風「何時行く?」
『後ろの団体が出来ているので、彼から曲がり角を曲がり切ったら行きましょう』
上風「了解!」
此処まで話せばわかるだろう
それは...
『行きます!』
上風「おう!」
このコースの下まで簡単なレースをする事だ