第14章 冬休み
用意されていた部屋は広く流石10人部屋であった
僕と都美子さんは寝る時に襖で区切って寝るらしい
「いやー、助かったよ。こんなに大人数、どうしたんだい?」
母「娘の同級生よ」
「え、本命がいるのですか?」
母「フフフ、どうかしら?」
何を話していても問題ない
僕はすぐさま暖められた普通では見られない大きなコタツに入り込むと
後ろからクロとシロが付いてくる
「「ニャー」」
床と布団の隙間に頭を埋めようとするが布団の方が重いようだ
『はい、どうぞ』
「「ニャー」」
少しだけ布団を持ち上げると2匹の子猫は器用に頭だけ外にだし眠りに入った
「そう言う訳で、明日からよろしくね!」
「「はい」」
都美子さんの友人の旦那さんがこれ程までにない笑顔を見せて営業に戻っていく
父「さーて!滑りに行くか!!」
切「待ってました!」
上風「よっしゃー!!」
『...元気だね』
皮肉でも何でもない、寒い場所が苦手な僕には雪山でのスキーは何よりも辛い
ポンと頭の上に誰かの大きな手が乗っかった
上を見上げていれば仁王君が楽しそうな表情をしている
仁「お前さんは滑らんのか?」
『僕は基本、あまり滑る事はありません』
上風「行こうよー、氷月ー!」
母「遊びに行って来たら?」
父「今のうちしか遊べないぞ」
『...わかりました』
温もりが恋しいコタツを後にして約2週間お世話になる服装を選びに行く
切「丸井先輩!邪魔ッス!」
丸「突っ込んでくんなよぃ!」
柳生「丸井君、前を見たまえ!」
丸「なっ!」
切「えっ!」
ズドーン
『はぁ...』
上風「何やってんの、赤也?」
幸「ブン太、楽しそうだね」
スキー初心者の皆は自分にあったスキー板を装備し
まずは坂で減速がしっかりと出来るかどうか見ている
切原君、丸井君が苦手でかれこれ1時間くらい面倒を見ている
そして今、もうすぐで減速が出来そうな丸井君に
後ろから突っ込んできた切原君と共に木にぶつかったのだ
父「2人はセンスがないねー。教えるのも楽しんだよ」
すごく楽しそうな誠さんはそんな皆をコーチしている最中
都美子さんは今度こそ友人に会うために中で探し回っている
真「ム、降りだしてきたな」
柳「そのようだ」