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古きパートナー

第2章 一度目の春


幸村側

さて、少し尋問でもしてみようかな

これでボロが出なければ中々の人物だしね

隣に座っても顔は見えないか

かなり深く被ってるな

では、さっそく

幸「君はいつからテニスをしているだい?」

黒空「......」

おや、考えているようだ

幸「黒空?」

黒空「えーっと、小学生の時からやっています」

なぜ、黙ったんだ?

幸「誰かに教えて貰ったりとかはしていないのか?」

黒空「ええ、多分」

多分?なぜそんな風に言うのかな?

幸「高校生かな?」

黒空「はい、4月から高校生になりました」

幸「へー、じゃあ俺たちと一緒だな」

黒空「みなさんも、今年から高校生ですか」

幸「うん、そうだよ。赤也はまだ中学生なんだけどね」

『部活の後輩とかですか?』

幸「うん、そうだよ。いじりがいがあって可愛いよ」

黒空「そうですか」

こういう話題は大丈夫なのか

幸「高校はどこに通っているんだい?」

黒空「それは秘密です」

秘密?もしかして...

幸「立海、とか」

黒空「さあ、どうでしょうか」

濁ってないな、これは面白い

慌てている様子もなければ戸惑っている様子もない

こう言った人物から何かを吐き出させるのは楽しいな

さあ、次はどんな質問をしようかな?

幸「中学は何処を通っていたんだい?」

黒空「中学は父の転勤が多かったので、点々としています。なので答えられません」

お父さんの転勤で中学もかなり転校していたのか

幸「そうなんだ。大変だっんだな」

黒空「そうですね。せっかく知り合えた友達もすぐに別れてしまうので、そこが心苦しいです」

でも、なんでかな

まるで他人事に聞こえるような気がする

今までの質問に対して返ってきた答えは全て他人事のようにどうしても聞こえてしまう

幸「どこの学校が1番楽しかったかな?」

黒空「それは...」

上風「影夜!もう、帰ろうぜー!母さんが心配するからー!!」

黒空「わかりました」

うーん、もう少しいじっていたかったな

まあ、いいか

黒空「それではこれで失礼します」

上風「楽しかったです練習!ありがとうございました」

幸「うん、また一緒に練習できたらやろうか」

上風「いいんですか?やったー!」

どうやら気に入ってもらえたようだな
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