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古きパートナー

第13章 テニス


仁王君

先ほどの事がなかったかのように丁寧にドリンクとタオルを回していく氷月

心なしか何処か寂しそうな感じの雰囲気が漂っとる

〈それでも僕は、こんな無力な自分が大嫌いです〉

小さく強く苦しく言われた言葉

初めてかもしれん、感情的に物事を言った氷月を見たのは

何時もは客観的に見ておる感じじゃ

幸「喧嘩でもした?」

仁「しとらん」

柳生「仁王君が氷月さんに強い言葉を投げたのです」

真「仁王」

仁「悪かったと思っとる。自分でもビックリじゃ」

柳「お前もイライラしているのだろう。あの言葉を聞いて」

丸「俺だって...」

俺達は氷月の事をアリィは許しておると思った

じゃが氷月は自分の事を恨みの対象を言っておった

そこに腹を立てたのは俺だけではないようじゃ

切「氷月先輩、苦しそうッス...」

ジャ「こればかりは俺達じゃ何も出来ないんじゃないのか?」

柳「そうでもないだろう。手助けくらいはしてやれる」

真「具体的には?」

柳「氷月は極力人との関わり合いを避けている。俺達のように話せる相手がいないからな。俺達と何でもいいから話す事が大切だろう」

幸「NG単語が多そうだね」

丸「話す事か。なら、昼飯を一緒に食えばいいんじゃないのか?」

切「俺も話したいッス」

仁「お前はまだ中等部じゃろ、まだ」

切「強調しないでくださいッス!」

ジャ「昼飯か。アイツ何食べてんだ?」

柳「俺は見た事ないな。昼になると何時も何処かへ行くからな。家で作ってきたおにぎり1つしか見た事ないな」

柳生「それでよくもちますね」

?「なんの話ですか?」

コートに珍しく入ってきた氷月

今日から俺達と全く一緒のレギュラージャージを身にまとう

さっきはいつものジャージで過ごしておった

幸村からは前の休憩時間に貰ったらしい

切「...氷月先輩、カッコいいッス...」

丸「...本当に女かよぃ...」

ボソボソと言う2人を視界の隅に置き

俺は氷月の元へ行く

仁「さっきはすまんかった」

『いえ、僕のほうこそすいませんでした』

真新しい綺麗なジャージをしっかりと着ておる

長袖のファスナーは半分くらいまで上げておる

幸「仲直りが出来た所で、試合しよ」
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