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古きパートナー

第13章 テニス


仁「ん...?」

この香り、氷月の匂いじゃな

目を開けると見知った天井が視界に入った

上体を起こし辺りを確認すると俺の部屋ではなく

此処は氷月の部屋じゃった

時計を見れば8時を少し過ぎた所だった

机の上には見慣れた音楽プレイヤーがコンセント繋がれており

今まさに充電中じゃ

綺麗な部屋を見渡し、昨日の事を思い出すが

仁「わからんのう」

ソファーに座っておる事は覚えておるのに

コンコン...

『おはようございます、仁王君。入ってもよろしいですか?』

仁「おん」

此処は氷月の部屋なんじゃがのう

部屋に入ってくると昨日と同じ服装なのに

『よく眠れましたか?』

仁「!、氷月...」

目が少しだけ赤く顔色は悪かった

カーテンを開ける氷月の後ろ姿を見ながら

ベランダをよく見ると水溜りが出来ておった

夜に降ったのかもしれんな

きっとまた音楽プレイヤーでの聞いていたのだろう

仁「すまん...」

『何がですか?』

仁「俺しか寝れんくて」

『?、何を言っているのですか?仁王君が一緒に寝ようと誘ってきたのですよ?』

仁「は?」

よく思い出せ俺

最後に何を話し合ったか

仁「あ...」






ベランダに立つ氷月の目は何処か遠くを見ていた

寒い湿った風が体を冷やしていく

『今晩、雨が来ますね。一時的に』

仁「そんな事がわかるんか」

『まあ』

湿った空気をかぎわけるように言う

仁「一緒に寝んか?」

『どうしたのですか?一体」

仁「1人じゃ寝れんじゃろう?」

『...そうですね』

仁「なら早く寝て雨を聞こえんようにしちゃるき」

『寝ていても気づきますけどね』

俺は氷月の手を掴みベランダを後にする

しっかりと鍵を閉め氷月の寝室へ行く

ベットに入って氷月がしっかり寝たのを確認してから俺も眠りに入った






『思い出しましたか?』

仁「...おぅ」

自分から誘っておいて、自分だけが熟睡して

氷月は1人起きて痛みに耐えてたなんてな

『途中で仁王君が起きないか心配でした』

仁「起こしてくれて構わん」

『ですが...』

仁「今度から起こしてくれ」

『あの、それってまた添い寝をすると考えても?』
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