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古きパートナー

第13章 テニス


氷月は俺からコーヒーを受け取ると寝室へ入っていった

そこからさほど小さくもない丁寧に包まれた箱を持ち

何時も通りに俺の隣に座る

『アリィの両親から最近いただいた物です。最近、配達されました』

仁「両親が言ったんか、マフラーって」

『いえ、推測です。アリィは僕が寒がりなのを知っていましたし、自分が編んで作りたいを言っていましたので』

仁「手袋かもしれんナリ」

『テニスをしている時でも邪魔にならないように、との事です』

ならマフラーは妥当じゃのう

氷月は丁寧に袋を開けて中身を確認し始めた

中から出てきたのは黒いマフラーじゃった

これは毛糸で編んだと言うよりも

市販で売っているような感じじゃ

しかも、かなり上手に作られておる

『アリィは裁縫が得意でしたから、それでもこれは予想外です』

先ほどまで使って居ったのは暗い青

仁「つけてみんのか?」

『そうですね』

そう言って氷月は先ほどと同じように自身の首に巻いていく

先ほどと同じように左肩の前後に先端を垂らす

仁「ほぅ...」

かなり似合って居る

黒いマフラーのおかげで水色の髪がよく見える

『なんだか、市販の物のような気がしますね』

付けておる本人は疑いを持つ

俺は机の上に置かれておった箱の中身を見ると

別の小さな箱と小さなメモ用紙が入っておった

〈ごめん氷月、間に合わなかったから市販で許してっ!来年は絶対に渡すからねっ!〉

アメリカ人にしては綺麗な日本語が書き綴られておった

仁「お前さんの予想は当たっとる」

『そうでしたか、残念ですね」

表情には出さないものの、目つきや口調は本当に残念そうじゃ

そして氷月は小さな白い箱へと手を伸ばし

それを開けるとまた小さな箱が出てきた

高級感がありそうな感じの青い箱じゃった

『!』

箱を開ける氷月の目を一瞬見開かれた

仁「何が入っておったんじゃ?」

『これです』

箱からガラス球を取り出しす

『トンボ玉です』

綺麗な水色の球の中にピンク、黄色、黄緑色の花が描かれたトンボ玉

『世界で1つしかありません』

仁「知っとるナリ」

ガラス玉の模様は同じでも多少のズレとか大きさが違うために

トンボ玉はどれも世界に1つしか存在しない
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