第12章 答え合わせ
切「それと白川先輩の「殺人鬼」は何処から繋がったんスか?」
『テニスを始める者にとって初めてみた残酷な試合。それを意図も簡単にプレーする僕が近くにいるから。いつその試合に飲まれて自分の心が折られるかわからないからこそ、初心者殺し「殺人鬼」と呼ばれてる』
真「それは己の心が弱いせいだ」
柳生「テニスをやりたいと言う強い意志があれば、そこまで簡単に折る事は出来ません」
仁「経験者は語るナリ」
ジャ「じゃあ、アメリカの一部では「殺人鬼」の異名なのか?」
『そう言う事になります』
幸「物騒だね」
柳「今の白川の気持ちはどうなのだ?」
『どう、とは?』
丸「テニス、楽しいかって事だよぃ」
『...そうですね。テニス事態は楽しいです。けど、僕がプレイする事によって誰かが傷つけられるのは、怖いです。足元に急に穴が開いたように崩れる事もあります。それでも、皆さんとやっている時は楽しいですね』
仁「それでええんじゃ。優真の事は俺らも守るし、お前さんも守る」
僕の頭に乗せられた大きく優しい暖かい仁王君の手
仁「俺達は頼ってええんじゃ。足元に穴が開いたら、落ちる前に助けるナリ」
胸が高まるのがわかる、でもこの感情を知らない
幸「俺達は簡単に仲間を見捨てない。どんな悪い条件を出されたとしても」
柳「それだけは必ず保障しよう」
2人の表情は柔らかい笑みだ
他はそれに頷くように首を一度だけ縦に振る
上風「氷月、プロはどうする?」
切「そうッスよ白川先輩!」
丸「そうだぜぃ!」
プロ、か
『延期で。これ程楽しい生活が明日も待っていてくれるのに自ら手放したくありません』
上風「俺も氷月と一緒にテニスしたいしな!」
『(クスッ)ありがとう、優真』
心の底から温かいものが広がった
今まで暗く深い闇に捕らわれていた空間に、日差しが差した
『?』
皆の顔を見れば驚いた表情で僕を見つめている
優真の表情も一緒だ
『どうなされたのですか?』
何も言わない動かない皆が不思議に思った
上風「氷月、笑ってる...」
『はい?』
上風「氷月、表情が変わってるよ」
『そうですか』
「「もっと驚けっ!!」」