第12章 答え合わせ
涙も出なかった
病院のベットで2週間眠り
アリィの葬式はすでに終わっていた
そこから2月の終わりに最後の大会へと出た
そこでは姿を隠し、マジシャンとだけ名乗り
最後のテニスを行った
結果は優勝でおさめたが
嬉しくもなければ、どうでもよかった
3月の初めに日本に帰国し試験を受けて合格した
今年の3月、優真からテニスの誘いがあったが
断り続けた
僕のせいで傷つく人を見たくなかった
守れないのならやりたくなかった、だからテニスをやめた
それでも優真はやりたいと言ってきた
此処なら姿を隠してなら出来るかもしれないと言った優真にため息を吐きながら承諾した
『皆を確かめたのは、僕の残酷なテニスを見ても、こんな僕を見ても怖がりもしなければ怯える事もないのを確認したいだけでした。だけど、僕だけが試すのもおかしいと思いそれなりの代償を「マジシャン」だと言う事を明かす事にしたのです。自分勝手な我儘を許してください』
彼らの求めた中学時代の話をすれば
皆の顔色は悪かった
表情も強張り、切原君と丸井君は目尻に涙を溜めていた
上風「3年見なかっただけで氷月は氷月じゃなくなった。それを見たときはゾッとしたよ」
『ごめんなさい優真。僕が弱いせいで』
切「白川先輩は何も悪くないじゃないッスかっ!」
丸「そうだぜぃ!白川が強いからって虐めるのは最低だっ!」
ジャ「暴力なんて異常だ」
柳生「強いから暴力を受けるのはおかしいのです」
仁「俺らには三強がいるからのう」
柳「お前はそんな苦しい中、1人で戦っていたのだな」
真「すまなかった。嫌な記憶を呼び起こして」
幸「俺達は虐めをしなければ暴力も振るわないよ。仲間じゃないか」
『仲間?』
上風「はい、辞書」
『返品』
上風「ガーン...」
『はぁ...、仲間、ですか』
幸「フフフ、そうだよ」
簡単に言う幸村君に少し苛立ちを覚える
『もし、これが作り話だとしたらどうしますか?』
仁「それはないナリ。こんな状況で白川が嘘をつく事も作り話が出来るとも思っとらんからな」
目を見れば真剣で僕を射貫くような視線
皆の目は強く優しい穏やかな光が宿っている