第2章 一度目の春
上風側
うーん、これはまずいな
多分今の試合を見ていたはずだからきっと入部しろと言って来るはずだ
氷月は世界でも名の知れるテニスプレイヤーだが
まだ、本名を名乗っていないのだ
しかも、出る大会はかなり小規模の大会
テレビ中継はされていないから姿を見ただけじゃわからんな
だけど、学校で誰か1人とは接点があるはずだから
ここは、俺の好きなアニメの名前を組み合わせ
架空の人物を名乗らせるしか
幸「君の名前はなんて言うんだい?」
に、2度目の質問
こ、怖い。笑顔が黒い
俺は隣に立っている氷月の袖を引っ張った
白川側
?優真が袖を引っ張っている
何か話があるようだ
『(なんですか?)』
上風「(架空の名前を使ってみればいいんじゃないのか?)」
『(いいかもしれないですが、すぐに架空の名前なんて思いつきませんよ)』
上風「(俺に任せとけ!)」
なんだか少し心配である
上風「こいつの名前は黒空 影夜(こくう えいや)です」
......想像しているのよりも酷かった
というか、厨二だな、完全に
こんなので信用するのか
幸「蓮二」
柳「聞いたことがないな。少なくとも大きな大会には出ていない」
すごい、そんなことまでわかるのか
なるほど、要注意人物なのか
真「さきの試合を見ていたが、2人ともテニス経験者のようだな」
えーっと、はい、そうです
上風「俺は3年前からコイツに教えてもらっています」
あ、地雷を仕掛けたな優真め
『テニスは好きなので始めただけです。フォームなどは本を買って読んだだけです』
っと、正直に言ってみた
切「俺!コイツと試合してみたいッス!!」
というか自己紹介でもしてほしいかな
顔と名前がわからないや
知っているのは
柳君と仁王君だけ
幸村側
不思議なオーラを纏っているね
黒空影夜か
出ているオーラは外にあまり出ていない
途中漏れ出ているものはすぐに消えてしまう
初めて見る感じのオーラだ
強弱もなく一定を保っている
不思議な人物だな
これで顔も見れればいいのだが
かなり深くに被っている様子だ
口元までしか見えないな
フフ、楽しくなりそうだ