第12章 答え合わせ
相手は僕が気に入らない
だったら僕もあの人達を気に入らない
彼女達が何を思ってテニス部のマネージャーの話を持ち出したのかなんてすぐにわかった
『自分達が仕事を出来ないから追い出され、自分以外が選ばれるとその人が部にふさわしくないから追い出そうと脅してくる。素晴らしい思考能力ですね』
女5「何?馬鹿にしてんの?」
『馬鹿にしてる、そんなつもりはありません。ただ事実を述べただけです』
女3「アンタは何が目的で入ったの?誰が本命?」
『目的?本命?...ただ部活に所属しているだけです』
女4「とぼけても無駄よ!あなた幸村君達と仲がいいじゃない!」
『彼からお誘いを受けたので、仲がいいのはわかりません』
女1「まあいいわ、もう一度聞くけど、やめる気ないのね?」
『何度も言っているように、僕に拒否権がありませんから』
女2「じゃあ、この子どうしようかなー?」
『はい?』
携帯の画像を急に見せられたけど、距離があるから小さすぎてわからなかった
女2「昨日から監禁してるんだけどねー」
よく見れば優真に似ていた
似ていた、と言うのは
この人達は墓穴を掘った
昨日から監禁してるとか言ったけど
今日の朝、普通に一緒に登校した
もし優真に変装した誰かだったらすぐに気が付く
少しからかえば彼は普通の人とは違う反応をするからだ
頬を赤らめてそっぽを向き、「バーカ!」と言って別れるからだ
今日も宿題に付いてからかいながら登校し
現に「バーカ!」と言われて別れた
メールで謝ればすぐに返事が来た(授業中に)
『...それだけの要件でしたら部活に行きますので』
女5「こ、この子はいいの!?」
『彼は簡単に捕まるような人ではありません。それに、変装、もう少し念入りにしておいた方が良いですよ?それではこの辺で』
屋上の扉を開けて階段を下りていく
くだらない、人を使って人を脅すなんて
普段怒らない自分がもうこんなにも腹が立っている
クツクツを煮えくり、火山のように噴火しそうだ
気晴らしに少し音楽を聞いて行こう
此処から音楽を聞いて更衣室に向かえば怒りも収まるだろう
それだけ僕は単純である
ポケットからイヤホンを取り出し音楽プレイヤーを操作する
部活も始まっているだろうとは思うけど
一応、幸村君にメールしよう