第12章 答え合わせ
白川側
明日が答え合わせの日
それまでに仁王君の、いや彼らの答えは出ているのだろうか?
雪が降る中、朝が早い通学路
あの日も雪だったらよかったのに
そうしたら冬だけ眠らなくて済むから
教室に入れば誰もいなかった
朝練は室内で行われるためにマネージャーは要らない
念のためにと朝早く登校はしている
いつもの席に座り色々と今年の事を振り返る
影の薄い僕を仁王君が見つけてくれた事
暴力団から優真を僕を救ってくれた事
人生初のお泊り会を体験した事
テスト勉強を皆でした事
海外のテニスで好成績を残し笑えた事
海に遊びに行きスイカ割りをやった事
皆と一緒にテニスをした事
風邪を引いたときに看病してくれた事
優真のお喋りで家族構成がバレてしまった事
意外と楽しい事があったじゃないか
体の傷も癒えてきた、心なんて、あるのか
明日になれば全てを話す
今までに思い出した事を含めて
それが彼らの鎖となるかわからないが
〈信頼出来る人がわからなかったらね、テニスをすればいいよ!テニスをして心の底から楽しいと感じた時、その人を信用してもいいんだよ。大丈夫。氷月の感は誰よりも鋭いからね〉
アリィが残してくれた最後の言葉
家で聞いた最後の文章
今日の授業が全て終わり部活動に向かう、けど
女1「アンタ、白川だよね?」
『そうですが?』
この雰囲気は何処かで感じた事があるような
女2「ちょっといいかしら?」
『これから部活なので、失礼します』
昇降口で吹っかけられ横を通り過ぎようとする
女3「すぐに終わるから、先輩の言う事を聞きなさい」
『...わかりました』
腕を掴まれて屋上へ向かう
部活に遅刻してしまうと思うと
のちに幸村君にいじられるのが目に見えているな
呑気な考えと共に屋上へ着けば
さらに化粧が濃く、香水臭い女が3名ほど追加された
女2「アンタ、どんな経緯で使ってマネージャーになったのか知らなけど、今すぐにやめて貰えないかしら?」
『無理ですね。誘ってきたのは幸村君であり、こちらには拒否権がありませんから。退部させたいのであれば幸村君に言ってください』
女4「生意気ね」
『生意気もないにも、事実を言ったまでです。それではこれで失礼します』