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古きパートナー

第11章 赤


上風側

家から持って来た手作り弁当を食わせ

今は眠っている氷月

かなりうなされてた

子猫達を連れてきたのは正解かもしれない

別にこのマンションはペットの持ち込みが禁止されていないからその辺は大丈夫だ

さて、問題は

上風「どうしようか...」

受験が近い俺は担任の先生から特別授業が設けられ

土曜日の午前中は学校で勉強

その間、氷月を子猫達に任せる事なんか出来ないし

時間も時間で7時になった

上風「ごめん」

寝ている氷月に一言言って携帯を持ち出す

掛けるのは勿論

仁「なんじゃ白川。どうかしたんか?」

上風「あ、氷月からじゃなくて俺です」

仁「詐欺か?」

上風「氷月の携帯で詐欺師が出来るわけありません」

仁「そうじゃったな」

お隣さんはすでに起きていたようだ

仁「それで、どうかしたんか?」

上風「今日の仁王先輩は予定は?」

仁「ないぜよ」

上風「なら氷月の面倒を見てくれないですか?」

仁「...体調が悪いんか」

上風「はい、熱が少し」

仁「今から行く」

電話を向こうで切られたと思ったらすぐに来た







仁「...昨日よりも上がっとるな」

上風「え?」

仁「昨日からおかしかったんじゃ。そんで熱があるから市販の薬を飲ませたんじゃが」

上風「氷月に薬は与えないほうが良いんですよ」

仁「何故じゃ?」

上風「市販の風邪薬には副作用に睡眠効果があるので。今日はさらに雨が降っているせいで悪夢を見るんです」

仁「...前から気になっておったが」

上風「氷月は昔から雨の日には眠れなくて、寝付けたとしても酷くうなされて起きるんです」

仁「そうなんか」

「「スー...」」

連れてきた子猫達は

熱い氷月の体にピッタリと引っ付いて眠っていた

上風「俺、これから学校で勉強なんで午前だけでも見てくれないですか?」

仁「別に構わんが、補習か?」

上風「担任から受験前特別授業です」

仁「大変じゃな」

上風「はい」

俺は自分に出来ない悔しさを噛みしめて学校に向かった
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