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古きパートナー

第11章 赤


白川側

全国大会も優勝まで見届けた

腕の腫れはすぐに引いたが色はあまり戻らなかった

学校祭は屋上で2日間を過ごした

誰にも会わなかったし、誰にも会いにいかなかった

後1ヶ月

彼らが僕に気づくまで

僕が彼らを見極めるまで

体育祭も終わり、この学期で残されているのは

学期末テストくらいだった

夏の暑さなんてなかったくらいに寒さが増していき

制服も冬服に変わった

「「おありがとうございましたー!!」」

明日からまた雨が降る、正確には今日の晩からだ

急いで片付け更衣室で着替える

仁「帰るんじゃろう?」

『はい』

正門には速く着替えてきた仁王君が待ってくれていた

『他の方々とはいいのですか?』

仁「お前さんのゲームを完璧に攻略したいからのう」

『そう言う事ですか』

何気ない1日が過ぎていく

僕の中は複雑だ

2年からアメリカで過ごし、プロとして大会を回るか

それとも学生生活を貫き通すか

それともテニスをこれをきに手放すか

選択肢は豊富だった

お金の事を考えれば大学は行かないほうがいい

これ以上、都美子さんや誠さんに迷惑を掛ける訳にはいかない

海外も一緒だ

最初のうちはお金が入ってこないからお世話になってしまう

消去法で行けば、日本に留まり何処かの会社に勤めたほうがいいだろう

仁「買い物してくんか?」

『ええ、晩御飯の材料を買うので』

仁「付き合っちゃる」

『ありがとうございます』

スーパーに入って晩御飯の材料を買っていく

今日はミートスパゲッティにでもするか

仁「今日の晩御飯は何にするんじゃ?」

『ミートスパゲッティにしようと思います』

仁「俺もええか?」

『構いません』

仁「ありがとさん」

仁王君とはお隣でもあるので

よくこう言った事が多い

一通り買い終えると雨が降っていた

そこまで強くないもののもう少ししたら雨脚が強くなるだろう

鞄から折り畳み傘を取り出す

『一緒にどうですか?』

仁「なら、入ろうかのう」

材料を持ってくれている仁王君を傘の下へ招待する

仁「もう少しお前さんに傾ければええ」

『ですが』

仁「濡れると風邪を引くぜよ」

『そこはお互い様ですよ』

仁「ほれ」

手に持っていた傘を自分側に少しだけ傾けられた

仁王君の肩に雨が当たってしまった
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