第10章 知らないフリ
幸村側
病院へつくと気絶させられた赤也が起き
蓮二の解説と弦一郎の鉄拳を貰う
切「......」
椅子に座っている赤也はかなり反省している
名前だけしか知らない年上の人に怪我をさせたんだ
弦一郎が怒っていなければ俺がやっていた所だよ
ジャ「影夜のヤツ、大丈夫かな?」
すぐにレントゲンを撮りそのまま診察室で別れた
その後に赤也が起きた
上風「ちょっと迎えに...」
椅子に座っていた優真が立ち上がり1人で診察室へ向かう
俺達は誰も付いていかない
此処で行ってしまうとなんだか色んな意味で後戻りが出来なくなるかもしれないからだ
切「あ...」
赤也の声で俺達は顔を上げ、視線の先を見る
首から下がる白い布に包まれた右腕
変わらずに深く被られているフード
柳生「大丈夫ですか?」
黒空「骨に異常はありませんでした。見た目が悪いだけでした。それでも絶対安静と言われました」
いつも通りの言葉使いに俺達は安心してしまう
俺から見れば後ろを向けている影夜
多分、俺はその人物の中身を知っている
そう、それはきっと
幸「白川さん、だよね?」
俺はそう言いながらフードを下げてしまった
好奇心の方が今の状況よりも勝ってしまったからだ
情けない、俺の好奇心で
『...よくお気づきで』
フードからこぼれる水色の髪
普段の無表情はいつも通り過ぎて
少しだけ怖い
『お話をしたいのであればすぐに移動しましょう。彼らが騒ぎ出す前に』
そう言って白川さんの指をさしている方を向けば
今にも騒ぎ出しそうな赤也と丸井の口元をジャッカルが押さえていた
幸「そうだね」
柳「此処からだと俺の家が近い。そこへ向かおう」
それぞれテニスバックを持って蓮二と仁王と優真以外が家に向かった
後の人達は少し後に来るしね
場所は変わって蓮二の家の部屋
「ゆっくりしていってね」
「「はい」」
蓮二の部屋にお茶を持ってきた母親が去っていく
携帯を取り出せば蓮二は今から2分ほど前に病院を出たらしい
切「えーっと、あれはその...」
丸「もしかして...」
ジャ「白川、だったな」
柳生「そうでしたね」
真「ウ、ウム...」
今日の事に付いては勿論聞きたいしゲームの事に付いてもね