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古きパートナー

第10章 知らないフリ


白川側

飲料水を買ってくると言う名目を置いて

彼らから離れた

右手はピクピクと痺れており、右腕はドクドクと脈打っていた

次第に痛みが襲ってくる

『...ッ!』

その痛みは何時にも増して痛かった

流石に無理をしたと思っている

優真にも迷惑を掛けてしまった

フードを深く被っているため視野は狭くなるし耳もそれなりに遠くなるが

慣れているためそれらの障害は全くない

パーカーのポケットに両手を突っ込んで近くのコンビニまで歩いて行く

?「待ちんしゃいっ!」

『!』

赤になった横断歩道で止まっていると

後ろから肩を叩かれた

『仁王君...』

仁「おう」

『何をしに来たのですか?』

仁「お前さんが心配でのう」

『心配?何故ですか?』

仁「...右腕でとか悪いんじゃろう?」

『......』

仁「黙ってるのは肯定と見なすぜよ?」

『飲料水を買ってからお話しましょう。それまでは待ってください』

仁「...腑に落ちんが、わかったぜよ」

コンビニに入れば涼しい空間が私を包んだ

仁「涼しいのう」

『練習はいいのですか?幸村君や真田君に怒られても知りませんからね』

仁「幸村には言ってあるぜよ、俺の心配はいらん」

『そうですか』

奥のコーナーへ行き優真のスポドリと自分の水を買う

仁「水でええんか?」

『はい、水が好きですから』

仁「そうか」

スポドリと水を合わせて5本かごに入れる

そこから1Lの水を6本購入しスポドリの粉を買う

レジでお金を払って手に持つと

流石に重いな

仁「持っちゃるよ」

『ありがとうございます』

計6Lの水を持ってくれる優しい仁王君であった

仁「さて、話じゃな」

と思った時期が存在したのは言うまでもないだろう

結局、その話題には一切触れずにテニスコート近くの高架下までやってきた

そこで買った物を下ろし後ろからついてくる仁王君の方へと体を向けた

ポケットから右手を出すとまだピクピクとしていた

仁「痛めておるんか?」

『違いますね。正確には二度と治らない右腕なんですよ。他人から言えば不幸に不幸が重なったものだと言っていました』

仁「!、...お前さんはどう思っとるんじゃ?」

『そうですね。例えるなら「罪」ですかね』

仁「!」
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