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古きパートナー

第10章 知らないフリ


『此処ですか』

昨日、仁王君が迎えいに行くと言っていたが

仁「そうじゃ」

ここはどう見ても、いつものテニスコート

ちゃっかりしっかりと部活のジャージを来ている

『1人で打ち込みですか?』

仁「いや」

そう言ってラケットを2本取り出す

仁「お前さんとやるんじゃ」

『嫌です』

即答した

仁「そんな答えは知っておる」

『では』

仁「やってみたいだけじゃ、お前さんとな」

『......』

正直、やりたいと思っている

だけど、僕はボールを真っ直ぐに打ち返す事が出来ない

それがバレたら

仁「のう、一緒にテニスしんか?」

仁王君の目は真剣だ

好きなだけあるか

ラケットのグリップをこっちに向けて聞いてきた

『...わかりました』

僕は仁王君のラケットを受け取った

仁「ありがとさん」

それと別に気になる事が

『その代り仁王君』

仁「なんじゃ?」

『あそこの方々を呼んでいただけませんか?気になってしまうのです』

僕は橋の下にいる人物に指をさす

仁「...知っとったんか?」

『まあ』

仁「はぁ」

そう言いながら携帯を取り出して誰かと通話し始めた

程なくして通話は終わり

橋の下から2人ほど黄色のジャージを着た人が2人来た

幸「バレないと思ったのにな」

柳「どうしてわかった?」

『視線で』

柳「そう来たか」

などと柳君は微笑した

仁「んじゃ、やるかのう」

『わかりました』

僕はテニスコートに立った

こんな静かな場所でテニスが出来るのはいつぶりだろうか

ん?いつぶり?

何を言っているんだ

僕はテニスなんて......

仁「サーブはやるぜよ」

『わかりました』

僕はトスを上げて、思いっきり打ち込んだ






結果は2-6で惨敗

流石にあの人物とわかってしまえばマズイと思い

悪いとは思うけど手を抜いた

それでも現役のテニス部は強かった

パワーもコントロールも申し分ない

イリュージョンと言う技では他人になりすまし

そのまま他人の技まで使える事に驚いた

仁「お前さん強いな」

『いえ、全然』

柳「それで初心者とはな」

幸「ねえ、本当にテニスはあんまりした事がないのかな?」

『はい』



だけど、こうでも言っておかないと

素性がバレる

それが1番恐ろしい事だ
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