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古きパートナー

第9章 夏休み


仁王側

岩場でついて行くと

白川は手前の海を見て行た

仁「海は好きじゃないんじゃなか?」

『そうですね、苦手ですね』

白川は背を向けたまま言う

外から見たらフリーに見えるかもしれないが

白川に限って後ろを取ると言うのは

出来ないに等しい人物だ

後ろに立ってもバレてしまえば

元も子もないのだ

風が時折強く吹く

白川の髪は重たそうな感じがするように見える

よく見ると

銀髪から水色の髪の毛がチラチラと見えていた

仁「白川、なんで髪か隠しておるじゃ?」

『そうですか?』

仁「風が吹くと少し見えとるよ」

『......』

白川は黙り込んでしまった

『そうですね、やめますか』

そう言うと俺の目の前で銀髪を取った

銀髪の下から出てきたのは

晴れた空のような水色の髪が

頭の下の方で1つにまとめている

とても綺麗じゃ

『どうですか?一応地毛です』

俺に聞いてきた

多分無意識で言っとるんじゃろうな

コイツ

仁「顔を見せてくれなわからんな」

俺は少し悪戯に言った

『そうですか』

そう言うと風が一番強くなった時にこちらに向いた

仁「!!」

こちらに振り返った時に心を完全に奪われた

水色の髪をなびかせながら俺の方を向く

そこまではいいんじゃが

仁「お前さん、表情が」

『?』

振り向いた瞬間

白川の表情が

笑っていた

優しく笑っていたのだ

『どうかしましたか?』

戻ってしまった

仁「い、いや、なんでもなか」

俺は少し恥ずかしくなって顔を下に向けてしまった

可愛かった

笑ったあの表情が

とても

一瞬だったから余計に可愛く見えてしまった

顔を下に向けていると俺の視界に他人の靴が入ってきた

上を見上げると

目の前には白川が立っていた

『どうですか?おかしくありませんか?』

また、無意識に聞いてくるからな

俺はお前さんに惚れとるのに

仁「大丈夫じゃ、問題ないぜよ」

『そうですか』

他人口調も直ってくれればよかったんじゃがな

仁「もう、そろそろ行かんか?」

俺がもたんからな

『わかりました』

俺達は一緒に幸村達の所へ戻って行った
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