第8章 サイカイ
白川側
アメリカに着いて1か月
先週ようやく1つの小さな大会に優勝した
まあ、先週から活動をしているのだけど
今は2つ目の小さな大会にエントリーした所だ
『時間までは』
?「ねぇ、アンタがマジシャン?」
『なんですか?』
後ろには僕よりも小さい男の子が立っていた
しかも、日本語だ
?「俺と試合してよ」
綺麗で真っ直ぐな目だ
『大会にエントリーしているのであれば試合が出来ます』
?「ふーん。楽しみだね」
そう言うと男の子は去って行った
『(越前君ですか、懐かしいですね。態度も変わっていませんね)』
彼の名前越前リョーマ
自分が中学2年生の時に初めて知り合った
その時はストリートでテニスをしていたため正体はバレていない
その時は銀髪で帽子を深く被っていた
髪は服に入っていたため腰まである事はわかっていないようだ
今は昔の髪、水色の髪をしている
だから余計にバレない確率はあるな
僕は自分の番が来るまで陰からテニスコートを覗く
今回は人数が多いのでトーナメント戦だ
いつもは参加者が少ないので総当たりせんだ
そして、決勝では
審判「これよりマジシャンVS越前リョーマの試合を始める」
越「ようやく、試合ができるよ」
『お手柔らかに』
サーブは越前君からだ
右手でラケットを持っている
越「じゃあ、行くよ!」
サーブが打たれた
僕はレシーブをするために前に出る
そして
ボールは僕の顔面めがけて飛んでくる
僕はそれを避ける
15-0
『ツイストサーブ、ですか』
越「まだまだ、行くよ」
回転なら誰にでも負けない
越前君はまたツイストサーブだ
僕は見極め、正確に打ち返す
そしてラリーが続く
『では』
越「?」
僕は先手を打つ
普通に打ち返したボールは地面に着くと
越前君の顔面をめがけて跳ぶ
越前「あんた、やるじゃん」
『それはどうも』
15-15
その後僕はずっと
15-30
15-40
ゲームウォンバイ、マジシャン!1-0
1つ取る
越前君の顔は楽しそうに見える
優真にそっくりだな
越「そのボール鬱陶しいよね」
越前君はラケットを左手に持ち帰る
『これから本番ですか?』
越「そんな所かな?」
『では、楽しみましょうか』