第8章 サイカイ
白川側
部屋に戻っていつもより違うような感じがした
泥棒かな?
僕は手当たり次第に周りを見て行く
リビング、台所、脱衣所、風呂場、トイレ
後は、自分の部屋だけだ
自分の部屋を静かに開けて覗くと
布団がもっこりしている
『(だれか寝ているのでしょうか?)』
そんな事を思い近づいてみると
ピピピピピ......
携帯電話がなった
それと同時に
?「氷月ーー!!」
布団から何かが飛び出して来た
僕はあっけにとられたが避ける
そうすると壁に顔面から突撃していった
?「イテテテテ」
『何をしているんですか?優真』
よく見たら優真だ
私服を着ているから一度家に戻ってからきたのだろう
マンションの鍵は念のために都美子さん達は1つずつ鍵を持っている
それで入り込んだのか
上風「来週テストなんだ!!」
『そうですね』
いつの間にか僕の足元で正座をしている
上風「夏休みに学校に行きたくないんだ!!」
『それで、テスト勉強を教えてほしいと?』
上風「そうなんだ!!」
なるほど、そんな事はすっかり忘れていた
中間テストの時も金土日に僕の部屋に来たなと思いだした
上風「えーっと氷月、出ないのか?」
『?』
電話が鳴っていた
ポケットから携帯を取り出して画面を見ると
そこには仁王雅治の名前が
電話に出る
仁「ようやっとでたか。心配したぜよ」
『どうしてですか?』
仁「どうしてって、そんなの隣の部屋から突然大きな音が聞こえたら驚いて心配するじゃろ」
『そうなんですか』
仁「それで、そうしたんじゃ?」
『泥棒が1人居まして』
上風「泥棒じゃない!!!」
大きな声で言う
仁「みたいじゃな」
と電話の主も少し笑っているようだ
『それで、そちらはどういったご用件で?』
仁「ああ、一緒にテスト勉強しんか?」
『一緒に、ですか』
僕は優真を見た
仁「なんじゃ?都合が悪いのか?」
『いえ、こちらも泥棒さんに頼まれていまして』
仁「なら、一緒にすればええ。こっちには赤也もおる」
『切原君がですか?』
嫌な予感
上風「え、赤也来てんの!?」
なぜ喜ぶ
どうやら断れないようだ