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古きパートナー

第6章 不思議体験


仁王側

昼になってブンちゃんとジャッカルが戻って来た

優真は母親に呼び出しで今帰宅

また、ここに戻ってくるのだけどな

ブンちゃん達が買ってきてくれたファーストフードを食べ終わり

今後について話あっとるようじゃ

柳生「彼が気になりますか?」

俺は縁側に座っている白川を見ておった

白川は自分の膝に乗って寝ている黒い子猫を撫でていた

絶対に気づかんフリをしておる

仁「まあな」

丸「ギャップがな」

ジャ「ああ」

柳「それで仁王、思い出せたのか?」

それが全然思い出せん

仁「全然じゃ」

あの笑顔はどこかで見た事がある

今にも消えそうだったあの笑顔

俺はこんなにも大事な事を忘れているなんてな

仮面を外したのはお前さんが初めてじゃき

ん?小さい頃にも誰かに仮面を外された覚えがあるのう

たしか......

「テニスをしている時の光は、笑っているね」

台詞を思い出してもな

幸「俺達が今出来るのは様子見だよ。仁王」

仁「わかっとるナリ」

小さい頃に一度だけある女に魅かれた

綺麗な笑顔しておった

どんな姿だったのかは忘れてしまった

もし、あの時の笑顔がいつか見えるのなら

「光!」

あいつは俺の事をそう言って呼んだ

だから俺は少し嬉しそうに言った

仁「陰(いん)......」

たしか、こう言っておった

柳生「仁王君?」

仁「なんじゃ柳生」

柳生「今何か言いましたか?」

仁「ん?言ったか??」

幸「陰とは誰だい??」

あー、口に出しておったか

知らんかった

仁「昔、あるやつとダブルス組んどってなそいつの事を陰と呼んでおった」

丸「向こうからは?」

仁「確かに、光って言われてたような気がするのう」

俺は立ち上がって白川の後ろに立った

『陰......』

呟いておった

仁「なあ」

『なんですか?』

こっちに顔を向けん

仁「お前さん。女か?」

『何を言っているのですか?』

丸「ちょ!何言ってるんだよぃ!!」

ジャ「俺に乗り掛かるな!!」

仁「どうなんじゃ?」

白川は俺の方を向いた

体が動くと膝の上で寝ておった子猫が慌てて起きる

子猫はジャンプし白川の肩に乗った

『僕がいつ、自分が男だと言いましたか?』
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