第5章 トラウマ
上風側
上風「えーっと、初めに言っておくけど、今から言う事は本当にあった話なんだけど、俺が知っている範囲はとても少ないんだ」
幸「それでいいよ、俺達は彼の事がわかればね」
上風「彼??」
切「白川先輩の事だよ、わかってるか?」
上風「あ、ああ」
性別知れてないのかよ
まあ、カッコいいし、制服は男子用だし
仁「その話は、感情の欠落と意味があるのか?」
上風「どうして知ってるの!!」
仁「やはりか」
口が滑った
やらかした、後で怒られるな
真「どういう事だ?」
仁「どんな事に対しても【冷静にこなしていた】と言えば誰もが納得するかもしれん」
柳生「それでは、【前にも同じような事があった】ために慣れているの間違いでは、とかですか?」
幸「それは多分、想像も超えるような事があったんだね?」
上風「はい......」
俺は俺の知っている範囲の事を皆に教えた
氷月は中学に入ると父さんと一緒にアメリカに行ってしまった
父さんは出張で行った、氷月は海外留学をしたのだ
通っていた運動部のスクールに同い年の友達が男女2人出来たそうだ
だけど、今年の1月に入って
女子の友達がビルの上から
飛び降り自殺をしたそうだ
それを自分のせいにしている
それ以来、感情は押し殺し
表情は無になった
柳「内容がザックリし過ぎているな」
上風「俺が知っているのはここまでしか」
切「うーん、外国でそんな事をニュースになっていのか?」
上風「放送はされたみたいだけど、俺は聞かずに氷月に電話しまくったんだよな」
幸「それで?」
上風「電話を出た時には別人かの様な感じがした」
柳生「どうやら、深く関わっているようですね」
『......』
ん?今氷月が
『......』
反応しているのか?
氷月が急に立ち上がり
部屋を出て行った
上風「やっぱり、起きていたんだ」
仁「捕まえてくるぜよ」
幸「任せたよ」
仁王先輩は氷月を追いかけに行った
上風「俺は、あいつを守りたいだけなのに」
そんな願いは叶わないのか
俺のちっぽけな願いは