第2章 一度目の春
仁王側
やはりそうじゃったか
俺の違和感はそこにあったのか
幸「どういうことかな?」
幸村が尋ねてきた
あーあー、その笑顔は嫌じゃのう
幸「なんでだい?」
あー、はいはいすいせんでした
話すから
幸「それでいいよ」
相変わらず読心術恐るべし
なんて思っても無限ループじゃ
俺はため息をした
仁「実はのう、食堂についたのはいいがあんま騒がしくないんでのう気になったんじゃ」
そう、俺や幸村が行くとキャーキャー言ってくる
ブンちゃんの言うようにイケメンだったら女が騒いでおる
なのにいつもと変わらんようじゃった
丸「騒いでいないだけで気になるのかよぃ?」
柳「確かに。俺たちの内だれかが行けば女子は騒いでいるだろうな。」
幸「とくにイケメンとかね。」
わかっておるのう
幸「しかも、丸井はまだしも、ジャッカルが後ろに気づかないなんてね」
丸「あ......」
ジャ「あ......」
ようやっと気づいたか
仁「ここの女共はイケメンなどにかなり敏感じゃ」
柳生「なのに、何故女性は騒いでいなかったって事ですか」
おーおー、わってくれちょるな
真「それで見つけたのか?」
仁「ああ、見つけたぜよ。入り口からは完全な死角になっておる席に座っておった」
みんなの表情が少し固くなってきている
仁「中に入って探し回ってなかったら完全にスルーしとった」
幸「へー、死角に座っていたのか」
柳「フム、興味深いデータだな」
柳生「しかし、なぜそんな席座ったのでしょうか?」
仁「俺もそこを聞きたかったんだが、また逃げられてしまったぜよ」
柳「今度はどう言った理由でだ?」
仁「なんでも、友達が別の学校で騒動を起こしたらしいんじゃとよ」
幸「そこの鎮圧か」
ジャ「ちょ、鎮圧って」
丸「どこの学校だろうな」
仁「そこまでは聞いとらん」
真「確かにこうして聞いていると謎の多いやつだな白川とやらは」
柳生「死角に座ったり、無表情であったり。興味深い方のようですね」
気になってしまうな
たかが男に
幸「そうだね」
また読心術か
幸「そういえば仁王」
仁「なんじゃ?」
幸「今日から部活だけど、用意は持ってきたよね?」
仁「ああ、部室においてあるぜよ」
丸「ちょ、仁王まで!」
柳「お前だけのようだな丸井」