• テキストサイズ

ちょっと変わった御兄さんたち【黒バスver】

第2章  全ての始まり


 翌日、少女が居間で寛(くつろ)いでいると携帯の着心音が鳴った。
少女は電話番号を見て不思議そうに首を傾げると、携帯を開き通話ボタンを押した。
「あ、神崎桜さんですか? 昨日交番で落とし物を預かった者です」
「あっ、こんにちは。どうかしましたか?」
「それが、落とし主が見つかりましたがその方が今から御会いしたいそうなのですが……」
桜と呼ばれた少女は、それを聞いて驚き了承の言葉を返した。
通話を切ると、先程まで読んでいた小説をしまい支度を済ませて外に出る。

 しばらくして桜は交番に着いたが中には昨日の男は居らず、初老の男が椅子に座っていた。
彼はこちらを向くと、にっこり微笑んでゆっくり立ち上がる。
「あのペンダントを拾ってくれた娘は君かな……?」
「あ、はい。……もしかして、あなたが落とし主の方、ですか?」
桜の問いに微笑みながら頷くと、初老の男は懐(ふところ)からペンダントを取り出した。
彼はそれを桜に見せるように、手のひらに広げて乗せた。
「これはね、お婆(ばあ)さんが死ぬまでずっとつけておったものなんじゃ……」
「え……」
 男の言葉から、もう既にペンダントの元所有者は亡くなってしまったと言うことがわかり、桜は少し寂しげな顔をする。
男は彼女のその様子を見て微笑み、優しく慰めた。
「本題はここからじゃ……。これを拾ってくれたお礼に何かしたいのじゃが……」
「へっ? い、いえっ、別に大丈夫ですよ?」
「いや、まあこれはワシからのプレゼントだと思ってくれ。……もしかしたら思わぬことが起こるやもしれんが……」
「え……? なっ!?」
 突如地面に黄色い線が浮かび上がり、“何か”を描き始める。
描かれた“それ”──魔法陣は黄色から青色へと変わり、強く光り出す。
 桜は眩しい光に目を眩ませ、やがて気を失ってしまった。
/ 8ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp