第13章 赤羽家
「ちょっ?!望乃?!」
「そ、そんな土下座までしなくても…頭上げて」
そう言われ、私は頭をあげる。
「…すみません…中学生がして良い事ではないとわかっていたんですが…本当にすみません」
「いや、正直そこらへんは別にいいんだが…すまん、俺も動揺してしまってな…あと、君の…その、見てしまってすまなかった…///」
顔を赤く染め、私に謝罪する。
「あ、いえいえ!べ、別に大丈夫ですよ!///」
「ゆうにぃ、望乃を口説いたり誘ったりしたらマジで許さないからね」
カルマくんが鋭い口調でそう言った。
「そんなことは分かっている。お前の彼女に手ェ出すとか自殺行為だしなw」
(家族の中でもそんな風に言われるのか…)
「あ、そういえば名前を名乗っていませんでしたね。私は赤羽くんのクラスメイトの『市ノ瀬望乃』です」
「『クラスメイト』じゃなくて『彼女』ね」
「う、うるさい…///」
「…君もE組なのか…大変だろうね」
悲しそうな目で私を見る目は、E組のことをよく知っているからだろうか、悲しそうな目をしている。
「あ、いえ!正直、前のクラスより今のクラスの方が楽しいですし」
「そうなのか?差別とかがひどいと聞いていたが…」
「私、そういうの嫌いなんでむしろ逆に反抗してますw」
「そうなのか、なら良かった。
申し遅れたが、俺は兄の『赤羽勇』だ。そしてこっちが妹の『絢』だ。すまん、今日は疲れたらしくて寝てしまっているが…」
「お気になさらず、大丈夫ですよ」
「すまんな」
絢ちゃんの寝顔はとてもかわいらしく、天使そのものだった。
「んっ…ん~…にぃ…おはよう…」
目を覚ましたらしく、背伸びをしている。
「おはようございます、絢ちゃん。『市ノ瀬望乃』と言います。よろしくお願いします」
私はニコリと笑いかけた。
「『いちのせのの』…ちゃん?」
ボーっとしているようだったが、だんだん頭が回るようになってきたらしく、目がはっきりと開くようになってきた。
「のの…のの…『ののねぇ』だ!」
「えっ…?のの…ねぇ?」
「うん!お姉ちゃんの名前!」
ニコッと元気な笑顔を見せつけられ、何も言い返せなくなる。