第13章 赤羽家
「こら、ののちゃんを困らせちゃダメだぞ」
「大丈夫ですよ、むしろ嬉しいくらいですよ」
私は絢ちゃんの純真無垢な言葉に素直に喜んだ。
「そういえば、絢ちゃんと勇さんって歳はいくつなんですか?」
「あぁ、言ってなかったな。俺は21、大学生だ。絢は…」
「6さい!もう1年生だよ!」
そう言ってニコニコする絢ちゃんは可愛さそのものだった。
「そうなんですか。…って、もう6時半ですね。そろそろ私、帰りますね」
私が時計を見ると針は6時27分を指していた。
「え~、もう帰るの~?あや、ののねぇとあそびたい!」
「う~ん…じゃあ7時前くらいまでは…大丈夫ですか?」
「あぁ、大丈夫だが君はいいのか?早く帰らないと親御さんが心配するぞ?」
「えっ…と…だ、大丈夫です!いつものことですので!」
私は少し対応に焦ったが、何とかごまかした。
「わーい!ののねぇ!あやのお部屋であそぼ!」
「うん、どこ?」
「こっちこっち~!」
絢ちゃんはパタパタとはしゃぎながら私の手を引いて走っていく。
ふとカルマくんの方を見ると、少しムスッとしていたがさっきよりは顔は緩んでいた。
(う~ん…後が少し怖いけど…今は絢ちゃんと遊ぼう…)
「ここだよ!」
そう言うと絢ちゃんは部屋の扉を開けた。
部屋の位置はカルマくんの隣。
部屋の中はおもちゃでいっぱいだった。
「す、すごい量のおもちゃだね…」
中には小学生とは思えないおもちゃもあり、正直驚いた。
「うん!かるにぃに色んなアニメ教えてもらったの!最近は『五つの大罪』とか好きなんだ!」
「・・・」
(どんなアニメ教えてんの…将来アニヲタ確定じゃん…)
「ののねぇ知ってる?」
「う、うん…」
「そうなの?!アリザべス可愛いよね!」
「うん、でも私はリアンヌ派だな~」
私たちはなぜか『五つの大罪』の話で盛り上がった。
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「あ、そろそろ時間だ。もう帰んなきゃ」
「え~もう?」
「うん、また今度来るから。その時はもっとたくさんの話しよ?」
「うん!まってるね!」
そう言われ、私は部屋を出た。