第1章 ずっと待つ・・・いつまでも【アリババ】
「アリババ!王子のお前が入れば、俺たちは賊団じゃなくなる!」
「あぁ・・・」
「ふぅ・・・」
部屋に戻り、椅子に腰かける
ベッドの方を見ると、先程の澄んだ瞳の少女が眠っている
「別に・・・何となくだし・・・」
アリババが呟くと、彼女はゆっくりと目を開けた
「おっ!起きたか!」
思わず覗き込む
「わっ!」
彼女は驚いたように、ほんのり頬を赤くして、毛布を上にあげる
「ーーーーー」
「ーーーーーー」
しばらくしゃべってくるうちに、彼女が本当にアラジンに似ている気がしてきた
あぁ・・・黙って故郷に帰っちまうなんて、やっぱよくなかったかな・・・
思わず、目の前にある柔らかそうなものにしがみつく
「しばらく、こうさせて・・・」
アリババが彼女に抱きついたのには、どんな意味があったのか・・・