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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第46章 “計画された犠牲”


「クロックアップって、まさか公子さん――」

ヨンスの言葉に続いたのは、エドだ。

さすがはデジタル先進国、私の意図に気づいたらしい。

「ライヴィス、ヨンスの出血量とエドのソースコード喪失量、そちらで解析できますよね?」

『……っ』

「時間がありません。大丈夫です、異世界人の私を信じてください」

『ぼ、僕は……僕は……』

「ライヴィス! これが正解だって、

・ ・・・・・・・
私、知ってるんです!」

叫ぶ。

同時に、目の前の中空にフォン、とウィンドウが現れた。

『っ!? このコマンドは……!』

処理能力が足らない?

なら演算装置を増やせばいい。

・・ ・・・・・・・・・・
私を、演算装置にすればいい。

しかも、とっておきにクロックアップした上で。




――私は理解した。

今回のトリップでもやはり、どこにたどり着くにしても、私にはなにかしら意味と役割が用意されている。

迷わず、中空に浮かぶウィンドウに手を伸ばす。

その手が、ぱっと掴まれる。

不安と怖れに沈むヨンスの瞳。

言葉を使うまでもなく、私を止めようとしていた。

少しだけ冷えたその手を、そっともう片方の手で包み込む。

いくらか痩せて骨ばっているような気がして、作った笑顔が崩れそうになる。

「見込みのない自己犠牲なんかじゃないですよ。ちゃんと、“みんな”で戻ります」

「……っ」

ヨンスの眉が歪んで、その手から力が抜ける。

名残惜しそうに、優しい手が離れた。

もう一度、ウィンドウに手を伸ばす。

そしてそのまま薄青い光でできたディスプレイに、手のひらを沈めた。
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