第42章 諸刃の刃の切っ先で
そしてエド、である。
――もうなぜそんなことになったのか全然わからないし、今後も解明されなくていいと思うが――
すっごいムキムキな筋肉質の足が二本生えたクリーチャー(もちめり)に、力いっぱいTシャツを食いちぎられようとしているエドの写真、である。
もちろん腹チラどころか、かなりの肌色面積を誇っているところも刮目ポイントだ。
だが、そこではない。
肝心なのは、恥辱に震えて白皙の頬を紅潮させている、その表情である。
頭脳明晰な金髪碧眼のイケメンが、自らの上半身が露わにならないよう必死になってシャツの裾を引っ張り、恥ずかしさで耳まで赤く染め、眼鏡は斜めにちょっとズレており――
と、さすがに自重しよう。
多分セクハラで訴えられたら敗訴確定である。
「……公子さん、このあたりで、許していただけませんか」
頬を赤く染め、パソコンを閉じようとする手をぷるぷるさせながらも、必死に平静を装うエドに、私は頷いた。
訴訟を提起されないように、このへんにしておこう。