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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第41章 暗鬼による確信による、


芯が抜けて力が入らない足を無理矢理動かすが、爪先が浮くだけだった。

それでも体の重心が変化するには十分で、うしろに倒れこむ勢いのまま、体を捻って走り出す。

「追いかけっこかな?」

「行かせません」

背後でまた金属音が上がる。

逃げるって言ったってどこに行けば――?

なにも考えられないまま走り出していた。

ひたすら足を動かすことだけが脳を占めていた。

視界を瞬く間に通りすぎていくだけの風景に、ふと気づく。




“ゴーストタウン”から戻ってきてる……!




けれど、自分がどこにいるのか全くわからなかった。

おそらく、ヨーロッパのどこか。

都市部ではなく郊外。

緑は多いが建物はまばらで、人の往来はごく少なかった。

道路や町並みにはなんの特徴もない。

標識や看板を探してキョロキョロするが、それらしき表示物も見当たらなかった。

今どこにいるのか?

これからどこへ行けばいいのか、行くべきなのか。

何もわからず途方に暮れる。

「ここどこ……?」

「公子さん!」

そのとき、救世主が現れた。

振り返ると、それは意外な人物だった。
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