第41章 暗鬼による確信による、
「エドァルド!」
呼びかけに応えられ、声の主がやわらかく微笑む。
風にさらさらとなびく金髪。
落ち着いた、それでいて鮮やかな光を点す碧眼。
眼鏡のレンズに太陽光がキラリと反射した。
レンズだけでなく金髪も、動きに合わせて天使の輪をきらきらさせる。
そして駆け寄ってくるすらりとした手足も、なんだか全体がキラキラして見えるのは、作中唯一のイケメン表記だからだろうか――
などと考えたいところだったが、今はそれどころではない。
エドァルドということは、ここはエストニア?
たしか、私はアメリカの研究所の近くにトリップしてきたはず。
それでゴーストタウンを経由して、エストニアまで“移動”した……?
「どうしてここに?」
手が届く距離に来たエドが、そう尋ねた。
私はなるべく平静を心がけ、トリップからの経緯を説明する。
時系列が前後してわりと支離滅裂な説明になってしまったが、エドは状況を理解したらしい。
神妙な面持ちで「そんなことが……」と呟き、目線を上にあげる。
その瞳に、サッと陰が落ちた。
軽い舌打ちが聞こえたかと思えば、突然腕が引っ張られる。
「わっ!?」
「すみません、こっちへ!」