第1章 突然な出会い
愛さんのデビューシングルの、LOVEsソング・トラックに収録されていた曲。
もとからスキだったけど、去年の文化祭で高橋陸が歌うのを聴いて以来、
耳から離れなくなった。
友達なのか、恋人なのか。
それとも、あいまいな関係なのか。
切ない歌詞には、二人の別れが描かれている。
(一度でいいから、愛さんが歌ってる所も見てみたかったな。)
そう思う反面、この曲は高橋陸にぴったりな気もするから不思議だ。
まるで、彼のために作られたかのようだ。
(ああ、また…どうしよう、もう)
頰に熱いものが伝わって、私は自分が泣いていることに気づく。
やだな。
去年の文化祭でも、彼の歌声で泣いちゃったのに。
指先でぬぐっても涙は止まらず、さらに胸がぎゅっと締め付けられる。