第4章 えーーー!?
ほぼ強制的に軽音部に入部することになってから、一週間が過ぎた。
今日もなんとか筋トレと外周を終え、視聴覚室のカーペットに座り込む。
防音設備のあるこの部屋が、ラブスの練習室だ。
「わっ!?冷たっ…」
頰にヒヤッとしたものがあたり、私は身体をすくませる。
振り返ると、無駄に爽やかな笑顔の高橋くんがしゃがんでいた。
いつの間に自販機まで買いに行ったのか、手にはペットボトルを握っている。
「は水の方はいいんだよね。はい、どーぞ。」
「…ありがと」
初日こそ「いらない」「遠慮しないで」の応酬だったけど、高橋くんがちっとも引かないとわかって、
最近では素直にもらうことにしていた。
(これくらいなら、いいよね…?)
別に気を許したわけじゃない。
今から頭脳労働が控えているから、省エネモードだ。