第10章 前日と当日
「イッダァァァ!!!!!???」
そしてすかさず拳をくらう及川さん。
「…それじゃいこっか」
その及川さんにも慣れたのか国見はズカズカ歩いていく。ので、私もついていく。
確かに中学から一緒なら…まぁ一年だけだけど。慣れるのかもしれない。
「……嫌だなぁ………………」
はぁ、と一つため息をついてしまう。それを聞いた金田一が不思議そうに訪ねてくる。
「? 幼なじみの人と会うの嫌なのか??」
もちろんそんなわけない…のだが。
目を伏せながらゆっくり答える。
「いや……逆に嬉しい、んだけど…………。
戦いずらいなって思った。
お兄ちゃん、私と同じぐらい…かそれ以上の観察眼持ってるから、こっちの考えてることバレたら厄介だなって……」
「ふーん?孤爪も観察眼あるのに?」
「うん……。…じゃあ、早く着替えてきてね、コーチ怒っちゃうから…………」
そう言って私も自分の持ち場に戻った。
*
午前十時。
「「お願いしやぁぁぁぁす!!!!!!!!!!!!!!!!」」
青葉城西、そして今回の練習試合の相手、音駒のバレー部員たちの声が全体に響く。
これからまもなくして、練習試合が始まる。
「(お兄ちゃんどこかな…)」
そう思うも時間の無駄だ。見つけた時に声かければいいや…そう思って自分の持ち場に行こうとする。と……
「……………あっ」
「…………………あ、」
左側から聞き覚えのある声が聞こえる。振り返ると、そこには小走りでお兄ちゃんが近寄ってきてた。周りからは、
「お、おい。研磨が自ら話しかけに行ってるぞ…?」「知り合いなのか?」「わぁーっ、やっぱり美人さんだなーっ!!」
などといろいろ聞こえてくる。美人さんって誰だろ。他に女子マネージャーいないけど。
「久しぶり……」
「あ、うん、久しぶり………えっ、髪、どうしたの…?」
「……話すと長くなる…。元気だった…?」
「うん…」
そこまで話すとまた周りがざわつきだす。
「おぉ…話がスローテンポだ……」「滅多に見られないぞ……」「…あ゙っ、黒尾どこに行く!?」
「「えっ、黒尾?」」
揃って反応してしまう。
振り返ると主将同士の挨拶をすませたクロが猛スピードで走ってくる。180超えの男子高校生が。幼なじみだとしても怖い。