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言われてみれば、単純で。 after

第4章 ​秘密の暴露は、悪友で。


修は信じられないものを見る目で、俺とキョーちゃんを交互に見ている。
俺は恐る恐るキョーちゃんの顔色を伺った。……頼む、怒らないでくれ。
しかし、彼女は全く動じていなかった。
 
「冷徹、サイコパス、遊び人。
 相変わらず酷い言われようですね、丹羽先輩」
「キョーちゃん、違う、違うからね!? 修の言うことは全部10割増しだから!」
「イツキ、お前今、その子のことなんて呼んだ?」
 
焦り狂う俺の言葉を遮って、修がピタリと動きを止めた。
「キョーちゃん」という、その呼び名。
修の脳裏に、十数年前の、ある「情景」がフラッシュバックしたらしい。
 
「キョーちゃん? 今キョーちゃんって言ったよな? おい、まさか。イツキ、お前」
「な、なんだよ」
「お前が中学の卒業式のとき、ちっちゃい身体で一生懸命ボタンを全部むしり取って、茶封筒に無理やり詰め込んで押し付けてた、あの『キョーちゃん』!?」
 
その場の空気が、一瞬にして凍りついた。
 
キョーちゃんは「ああ」と納得したように小さく息を吐き、修の方を見た。
 
「お久しぶりです。その、ボタンを大量に押し付けられた被害者の、藤崎キョーです。あの時、先輩のボタンがない制服を見て、指を差して笑っていたお友達の一人ですか?」
 
修は息を呑んだ。
 
「うわー、やっぱ、あの、藤崎キョーじゃん!!」
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